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セキュリティの深さの定義とデータ追加の取り扱い(不変式論からのアプローチ)

松井, 清 セキュリティの深さの定義とデータ追加の取り扱い(不変式論からのアプローチ). In: 表現論シンポジウム, 2006/11/14-16.

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14 November 2006: 表現論シンポジウム

Abstract

1. はじめに  社会調査などで,データを再分析し,様々な仮説を検証したいという要望がある.データ収集時,明らかにされなかった点について,新たな手法等を用いて再度解明するという意味で,これを2 次分析という.今日統計制度改革の議論が盛んである.行政側でも「統計行政の新たな展開方向」という府省間の意見一致により,匿名標本データの作成・利用など,統計データの2 次的な利用を促進することが認識されている.統計法令上の位置付けなど法制度面の問題に係る検討のため,2004 年総務省に「研究会」が設置され,また2005 年には内閣府に「委員会」が設置され,2 次的な利用者の位置付けが「公共財」との関係で議論されている.  セキュリティの維持とデータ開示はもちろん相反する関係である.以下次の内容を取りあげる.統計解析・セキュリティを考慮したデータ公開のための数学的方法([6]),具体的にはいくつかのケース不変式のファミリーの値のセットに基づいて,セキュリティの深さの定義を与え,公開範囲の決定に資する.以前の報告([6],[7],[8],[9],[10])の用語,基本記述,拡大記述,中間まとめに混乱がある.パラメトリックでない手法の取り扱いを考慮しているために,この報告での中間まとめの概念が,[6],[7],[8],[9],[10] より拡大されている.そのため中間まとめに適当な条件が必要である.パラメトリックな手法のための中間まとめを考えるならば,条件は通常成立する.  データセットを融合する場合,融合後の中間まとめが融合前の中間まとめから,作成されるのが望ましい.また現実に起こる問題で,データが随時追加されていく場合,元のデータセットを復活して追加データを加えて,改めて中間まとめを作成する方法は,セキュリティ上問題がある.追加前中間まとめと追加データから追加後中間まとめを作成するのが望ましい.このような要請にかなう中間まとめの条件を考察する([10]).  不完全データの解析は医薬認可に係る分野などでは特に重要である.現在までに様々な扱い方があるが,ここでは最尤法によらない欠測値を扱うための条件と方法([9]) に触れておく.不完全データの解析では項目特性の制約や中間まとめの内容の制約が生じる.異常値,外れ値の扱いに対応する方法にも言及する.  ここでいう中間まとめは数学的にはケース不変式のファミリーの値のセットと呼ぶべきであるが,直感的理解のために中間まとめと呼ぶ.また要約統計という名称はすでに存在しているため使用を避けた.以下は[10]及び報告「セキュリティの深さの定義とデータ追加の取り扱い」2006 年1 月14 日「個票データの秘匿措置と開示データの利用に関する研究」(基盤研究(A)14208023)と「官庁統計の収集・公開・利用のための理論的問題」(基盤研究(A)16203014)の合同研究集会において時間の都合上報告できなかった部分を加えたものである.また数学的な部分は報告「シチギーとデータ公表のための数学的方法」(2006 年1 月21 日数論土曜セミナー,学習院大学)をまとめた.  以下は数学的にはほとんどHilbert,Weyl,H. Cartan の仕事に負っている.このような問題に不変式論の応用という枠組みを付与することによって,数学及び関連する各分野の貢献を要する部分が浮かび上がると考えた。広範な分野の多くの人々の挑戦を期待する。

Item Type:Conference or Workshop Item (UNSPECIFIED)
Subjects:16-xx ASSOCIATIVE RINGS AND ALGEBRAS
ID Code:36